3度目に、君を好きになったとき

一番思い出したくなかった、封印していた中学時代の記憶――。





『沢本ー。お前、こんなヤツのこと好きなの? 趣味わる~』

『はあ? こっちから願い下げだよ。好きになるわけないだろ、こんな――嫌われてる女なんか』


私に好きだと言っていたはずの沢本君は、教室では私を嫌いだと軽蔑の眼差しを投げてきた。

なのに、蓮先輩と私の仲が深まるにつれ、沢本君の行動はエスカレートしていった。


『どうして、あいつじゃないといけないんだよ……』


騙されて、狭い体育倉庫に閉じ込められて。

沢本君は、私の首に赤い痕をたくさんつけた。

唇の近くにキスも……。







――顔を合わせれば、一言二言会話をする仲だった未琴と私。


『未琴、あの子と仲良いの? 嫌われてるらしいから、やめておきなよ』

『……えー? そうなの?』


噂が広がった次の日から、未琴は私に話しかけてこなくなった。

私がそばに行っても、目をそらしてあからさまに避ける。

友達だったのは、何かの間違いだったとでもいうように。


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