3度目に、君を好きになったとき
「あんなに白坂が嫌がるとは思わなくて、あとから罪悪感にさいなまれて……」


真鳥が話している間、未琴は終始唇をかみしめてうつむいていた。


「沢本は、白坂が一見おとなしい感じに見えるから、このことは誰にも話さないと思ったらしく、誰かにばれることを気にしてなかった。だけど俺たちは……周りから悪者扱いされて、嫌われたくなかったから」


嫌われたくなかったのは、私も一緒だ。


蓮先輩との関係を妬んだ沢本君は、三井先輩にそそのかされ。真鳥や未琴を使って私を閉じ込めたあと、体に無理やりキスをした。

男好きだという噂を流されて、一部の女子から無視をされ、否定もできなくて。

そんな、嫌われている自分と付き合ったら、蓮先輩も変な目で見られる。

そして、いずれは自分のことも疎ましく思うかもしれない……。

それが怖くて、先輩からの告白を断ったんだ。


やっと繋がった。
記憶の断片。

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