3度目に、君を好きになったとき

もしも未琴みたいに、美人で誰とでも仲良くできる性格なら。

椎名さんみたいに爽やかで明るくて、スポーツが得意なら。

誰かに憧れてもらえる存在なら、もっと自信を持てたのだろうか。


……だけどそれは、今となっては言い訳だったのだと思う。

努力して頑張っていれば、誰かが認めて応援したくなる。

そんなことも気づかずに、ただ、嘆いて過ごしていた私。


動かずに待つだけの人間で。

何の努力もしないで自分を変えることを怠り、受け身でいたところで、誰も見つけてくれはしない。

いつまでも独りで、うずくまっているだけ。



「元々知っている人間のことを判断するのは難しいね」

「はい……」

「その判断は千尋たちに任せることにして――結衣は、自分の心配もした方がいいんじゃない?」


西の空を見つめていた先輩が、私の方へと視線を移す。


「……自分の?」

「三井たちから、嫌がらせは受けてない?」

「あっ、それはもう、大丈夫です。三井先輩とはその後すれ違うこともないし。最近、沢本君も全く話しかけて来なくなりましたから」


今のところは特に問題なく、平和に過ごせている。

それを伝えると、先輩はホッとしたように小さく息をついた。


「よかった……。また、自分たちを正当化して、何かしてくるんじゃないかと心配していたから」
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