3度目に、君を好きになったとき
*
「ねえ結衣。真鳥、どうだった?」
一年生の廊下で未琴にそう聞かれたのは、次の日のことだった。
「え、真鳥……?」
「結衣が気に入りそうかと思って、まずは友達として紹介してみたの」
「どうって……昨日は家まで送ってもらっただけで」
「送ってもらっただけー?」
腕を組んだ未琴はどこか不満げに聞き返した。
「……あ、でも真鳥と会ったあとの私、何だか気分がすっきりした感じがしたよ。意外と癒し系なのかな」
「そっかぁ、良かった。結衣、もっと落ち込んでるかと思ったから。真鳥のこと紹介して良かったかな」
安心したように未琴は笑い、自分のクラスへ入って行った。
(落ち込む? 私、何かあったかな)
考え込むも、頭の中に靄がかかったみたいに、それ以上探ることはできなかった。