3度目に、君を好きになったとき




「ねえ結衣。真鳥、どうだった?」


一年生の廊下で未琴にそう聞かれたのは、次の日のことだった。


「え、真鳥……?」

「結衣が気に入りそうかと思って、まずは友達として紹介してみたの」

「どうって……昨日は家まで送ってもらっただけで」

「送ってもらっただけー?」


腕を組んだ未琴はどこか不満げに聞き返した。


「……あ、でも真鳥と会ったあとの私、何だか気分がすっきりした感じがしたよ。意外と癒し系なのかな」

「そっかぁ、良かった。結衣、もっと落ち込んでるかと思ったから。真鳥のこと紹介して良かったかな」


安心したように未琴は笑い、自分のクラスへ入って行った。


(落ち込む? 私、何かあったかな)


考え込むも、頭の中に靄がかかったみたいに、それ以上探ることはできなかった。


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