3度目に、君を好きになったとき

一瞬、目元の表情が翳った気がしたけど、「行こうか」と笑顔で促され、先輩の案内でカフェへの道を歩いた。



赤い屋根が目印の可愛い建物。

店内は手作りの雑貨が売られていたり、壁にカラフルな色彩のファブリックパネルが飾られていて、退屈しない空間になっていた。

奥の窓際の席が空いていたので、そこに座ることにする。


「このカフェ、同じクラスの子も行ってみたいって話してました。来れて良かったです」

「僕も気になってたんだけど、男同士だと何となく入りづらくて」


正面に座った先輩は、メニューを見やすいように私の方へ向けてくれる。

部室で言っていたとおり、本当に彼女はいないらしい。

彼女や親しい女友達がいるなら、その人と来ればいいのだから。


一通りメニューを眺めたあと、先輩はベイクドチーズケーキ、私はレアチーズケーキを頼むことにした。
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