3度目に、君を好きになったとき

「ごめん。白坂さんが藤川に……いや、生徒会に興味があるなら、余計なことをしたよね」

「いいえ、全然興味ないです。正直、断る口実を思いつかなかったので助かりました」

「……そっか。それなら良かった。じゃあまた、放課後に」


柏木先輩は照れくさそうに襟足の辺りを撫で、私から目をそらした。


『大事な子』と言われて素直に嬉しかったし、先輩にとっての特別な存在に、少しでも近づけたのではないかと期待してしまった。


私は……、柏木先輩のことを好きになったのかもしれない。


教室へ戻ろうとする彼の背中を見つめながら、密かにそう思った。



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