3度目に、君を好きになったとき

「沢本がまた何かしてきたら、私に言って」


私の肩に手を置いた椎名さんは、頼もしい言葉をかけてくれる。


「うん。本当にありがとう」


170センチ近くありそうな椎名さんのことを見上げ、遠慮がちに微笑み返すと、なぜだかパッと目をそらされた。


「うわー……、あいつが白坂さんに執着する理由、何となくわかった」

「え?」

「いや、存在自体が可愛いって、罪だよねってこと」

「そんざい……」

「まあ、白坂さんは気にしないで」


淡々と言った椎名さんは、自然な流れで連絡先を交換してくれて、私たちはそこで別れた。


沢本君の嫌がらせを忘れさせてくれるくらい、椎名さんの存在は大きく。

初めて話した憧れの人と少しだけ友達になれた気がして、教室への足取りが軽くなっていた。


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