3度目に、君を好きになったとき
電車が到着し、自由席の車両に乗り込んだ私は、まず自分たちの席順で悩むはめになった。
柏木先輩の近くがいいけれど、そんな図々しいことは皆の前で言い出せるわけがなく。
空いている席を探す未琴の後に続いた。
ちょうど奥の辺りに空席が目立ち、私たちはそこを選ぶことにする。
「白坂さん。窓際の席でいい?」
さりげなく柏木先輩から話しかけられ、心臓がドクンと飛び跳ねる。
「はい。……ありがとうございます」
まるで最初からそう決まっていたかのように、柏木先輩は私の隣のシートに座ることになった。
進行方向とは反対に座席を回転させた千尋先輩は、私と向かい合わせで座り、未琴はその隣に落ち着く。
通路を挟んだ右隣は、親しげに会話を続ける椎名さんと真鳥が腰を下ろした。
すぐ隣にいる柏木先輩と肩が触れ合いそうな近距離に、緊張で体が強張る。
(どうしよう、心臓が壊れそう……)
けれど先輩は平然としていて、私は女として見られていないのかもしれないと気づかされた。
たとえば、私のことを妹のように思っているだけとか。