3度目に、君を好きになったとき

動揺とは無縁の、落ち着いた横顔を見つめていると。
その肩越しに――通路を挟んだ真横の席にいる真鳥と目が合い、パッと視線をそらした。


何だろう……、あまり好意的な目つきではなかった気がする。


真鳥は何事もなかった様子で、窓際に座る椎名さんと仲良く話し始め、私は柏木先輩の陰に隠れるように体を縮めた。


ちょっとだけ苦手なタイプかも。
クールな雰囲気で、何を考えているのか読みづらい。

鋭くて冷めた瞳。
それが私へ向けられるたび、見張られているようにも感じてしまう。



「白坂さん、家の人は大丈夫だった? 遠出、心配されなかった?」


すぐ近くから柏木先輩に話しかけられて、それだけでいつもの数倍緊張する。


「は、はい。大丈夫でした」

「それなら良かった。遠いから反対されてないかなと思って」


安心したように柔らかな笑顔を見せるので、思わず目をそらしてしまう。

さっきの真鳥とは違った意味で。
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