3度目に、君を好きになったとき

千尋先輩は相変わらず、意地が悪すぎる。

まるで私の気持ちをわざと蓮先輩にばらそうとしているみたい。


本人に気づかれるのも時間の問題かもしれない。

内心ヒヤヒヤしながらも、昼前には目的地の動物園に到着することができた。





丘の上にある動物園は、正門からずっと階段や坂を登っていく形だった。

足場があまり良くないので、体力がないと結構きつい。


「晴れてて良かったね、白坂さん」

「うん。平日だし、そこまで混んでなくて見やすいね」


チケットを買ったあと、私と椎名さんはパンフレットの地図を見ながら真っ先に階段を上がり、楽しみにしていたホッキョクグマ館を目指す。


キャラに似合わず可愛いもの好きの千尋先輩は、蓮先輩と一緒に、まずはアザラシ館を目指している様子。

アザラシの赤ちゃんを撮るためか、手にはカメラを用意していた。


私たちが先にたどり着いたのはアザラシ館だったので、ホッキョクグマの方は後から回ることにした。


未琴は真鳥と話があるのか、後方で会話しながらゆっくりと進んでいる。


並んで歩いている二人は、楽しそうというより、なぜだか深刻な表情を浮かべていた。
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