3度目に、君を好きになったとき
二人は本当に、どういう関係なのだろう。
やっぱりただの友人同士には、とても見えない。
今日は特に親密な雰囲気を出していて。
未琴と真鳥、二人だけの秘密があってもおかしくない、そんな気がした。
「白坂さん、こっち」
ぼうっとしていた私の肩を、椎名さんが軽く押して案内してくれる。
アザラシ館は建物の中と外、どちらからでも観察できるようになっていて。
特に人だかりができていたのは、白い柵に囲まれたアザラシの住処。
「赤ちゃん、あの群れの中にいそう」
椎名さんは檻の奥に寝そべるアザラシたちを指差す。
「この台に登ったら、よく見えるんじゃない?」
背の高い椎名さんは、私の手を引いて台の上にあがらせてくれる。
やっと彼女と同じくらいの目線になり、アザラシ達の様子がよく観察できるようになった。
「わ。あれが赤ちゃんかな?」
一匹だけ違う色で、遠目からでも柔らかな印象。
体の大きなアザラシに混ざり、日向ぼっこをして目を閉じている。
「可愛い……。気持ち良さそう」