3度目に、君を好きになったとき

「今の結衣が、自信を持って幸せに生きているなら、過去を知って嫌いになる理由はないから」


蓮先輩は優しい眼差しを私に向けてくれた。


――だけど。


“自信”


その言葉が、なぜか心の奥に引っ掛かった。






帰りの電車は混んでいたので、未琴たちとは席が離れる形で二人ずつ座ることになった。

行きと同じで、蓮先輩の左隣の席。

先程のことがあり、少しばかり気まずい。


蓮先輩は本当に私の過去について知らないのだろうかと不安に襲われる。

真鳥の言う“過去”が何を示しているのかは、わからない。

ただ、蓮先輩に知られたくないことだと、それだけは感じ取っていた。


もしかしたら。その“過去”があるから、私のことを後輩以上には見てくれていないのかも、とか。

考えれば考えるほどマイナスな思考でいっぱいになっていく。



蓮先輩に好かれるような自分になりたい。



「……結衣? 具合は大丈夫?」


心配そうに顔を覗き込まれ、ハッと我に返る。

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