戦場の翡翠
だが、翡翠の稼ぐ目まぐるしい金の量にどうしようもなく翡翠を自由にするのを惜しく思ってしまう。

その為、翡翠の無垢な笑顔を見る度に自分がどれ程汚れているのかを確認させられるような思いだった。

一方、翡翠は奴隷として他国から攫われ、酷い輩に買われそうになった所を大金を叩いて買ってくれた上に奴隷なら酷い扱いを受けるのが当たり前のこの世界で奴隷制度を嫌い、好きなことをさせてくれる瀏亮の恩情に心から感謝し、尊敬の念を抱いていた。

瀏亮はそれを知っているからこそ余計に翡翠の笑顔を見ることが辛かったのだ。

「翡翠……」

「何でございましょう?」

「自由に……なりたくはないか?」
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