俺様副社長のSweet Day
「ただいまー」



仕事が終わり、あたし達のリビングのドア開ける。



「おかえり」


ムスッとした顔でソファーに座っている暁の姿が見える。
さっきの会社でのことを気にしているのだろう。



「暁、怒ってる？」


「怒ってる.......ってのはなんか違う」


「え？」


「分かんなくていいよって言われたけどさ、たしかにわかんねーもん。悔しいし、本当は心海の考えてることなんて全部わかりたいくらいなのに、全然わかんねーもん」



悔しそうな顔ではぁーっとため息をついて、ソファーにゴロンと寝転がる。

あれからずっと考えてくれていたのだろう。
何かあると紙をぐしゃぐしゃに丸める癖のある暁。
テーブルの周りには、スランプに陥った小説家のように丸められた紙がたくさん散らばっている。



「あーあ、こんなに散らかしちゃって」


「うるせーよ、誰のせいだと思ってんだ」



グイッと腕を引っ張られて、あっという間にソファーに押し倒される。



「ごめんね、ちゃんとチョコが渡せるあの子が.......いや、みんなが羨ましくて」



あたしの言葉に暁の目が見開いていく。

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