俺様副社長のSweet Day
「な、なに?」



座り直したあたしをじーっと見ている暁。



「だから、チョコ」



あたしに向かって手を差し出す。



「だって、もらってたじゃん」


「もらってない」


「この目で見たんですけど.......」



さっきの会社での光景はどうみてもバレているというのに、白々しく嘘をつこうとする暁をじとーっと睨む。



「今日貰ったチョコは全部親父に持ってった」


「は?社長?」



社長もそれなりに貰ってると思うけど、コイツは一体何を考えているのだろうか。



「親父、甘いの好きだから」


「いや、だからって.......って全部って一体なんこ?」


「わかんねぇ。数えてねぇけど、会社歩いてて会う度いろんな人にもらった。だから14日に会社行きたくねぇんだよ」



イヤイヤというように首を横に振る。



「でもなんで、社長に?」



これまでは社長と仲が悪かったし、わたしてなんていないはずだ。



「お前以外からもらったものなんて、いらねぇよ。それとも貰ってほしいの?」


「.......っ」



暁からもらったその言葉が妙に嬉しくて、あたしの心の闇が溶けていく気がする。

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