あの日交わした約束
「皆、ごめんなさいね?こんなときに、恵美里がこんなことになって…」とお母さんは言う。
「恵美里が悪いわけじゃないので。仕方ないですよ。けど…恵美里に何度そう励ましても恵美里は納得してくれなくて…」と徹が言う。
「この子ね、毎日ずっとあなたたちの話ばかりなんだけどね。恵美里にとってかなり意味のある大きな舞台でもあるの。恵美里の先輩たちが見に来るらしいのよ。元バンドメンバーの先輩たちが。だからね皆にはお願いなんだけど、恵美里がやりたいって言うなら、当日は少しキツくてもやらせてあげてほしいの。それまではキッチリ休ませるから」とお母さんは言った。
「もちろんです」と皆が声を揃えた。
「恵美里、俺聞いてなかったけど?アイツら見に来るって言ってるのか?てことはもちろんアイツも…」と護は言う。
「うん。皆に見てもらいたい。私がどれだけ充実した毎日を送れてるか、皆に愛されてるか、そしてどれだけ楽しく演奏ができてるかを。けど…あの人は来るかどうかはわからない。皆来るって言ってくれてるけど…あの人だけは…わからないんだ」と恵美里は言った。
「だからだったんだね。この文化祭にこだわったの。良いよ!本番は思いきり暴れな」と徹は言う。
「そうだよ!楽しめたらいいんだから!」と豊
「ミスとか気にしなくてもいい。とにかく楽しむこと!プロだってミスることぐらいあるんだから完璧にしようと思わなくていいから」と護は言った。
その言葉は恵美里だけに言ったものではなく、皆に言ったものでもあった。だからこそ皆の心にもしっかり響いたようだ。
皆は『はーい!』と声を揃えた。
「当日は俺も能登連れてちゃんと見るからな。もちろんプロ目線でスカウト前提にだが」と軽く圧をかける護。
「護さん、その圧かけるのはあんまり良くないです」と恵美里が言うと、
「圧か?これからプロになろうとしてるやつがこれくらいのこと圧だと感じる時点でアウトだ」と護は言って笑った。
賑やかで楽しい時間はあっという間に過ぎていき、皆は帰っていった。
「また明日ね~」って。恵美里も玄関まで送った。
けど…護だけはまだ残っていて、後片付けなどを手伝ってくれていた。
「護さんほんとに悪いわね~」とお母さん、
「いえ、好きでやってるんでもっと色々言ってくださいね」と護
「申し訳ないなぁ。いつも…来客なのに…早く息子になってくれないかな~?」とお父さん
「…それは…無理ですよ。恵美里には想いを寄せる相手がいますから。言わなくても見てればわかりますし…」と護
「そうかい、けど…たまには自分のキモチに正直にならんといかんよ?いい大人の男なんだから」とお父さんは言った。
そんな会話がされていることなんて全く知らずに、恵美里は皆を門まで送り門越しに皆の背中を見守っていた。
しばらくして、リビングに戻ると、洗いものを終えてくつろいでいるお父さんとお母さん。
ナゼか、コーヒーを飲みながら食卓のイスに座っている護。
「護さん?」と恵美里が声をかけると、
一瞬、恵美里に顔を向けて、笑いかけた。
「二人で話がしたい」と言った護に、部屋へと案内した恵美里。
いわゆる『女子』の部屋に入るのは初めてな護はついついキョロキョロしてしまった。
「あんまり見ないでくださいよ。恥ずかしいです」とボソボソ言う恵美里。
「あ、わりぃ」と護は言った。
「恵美里が悪いわけじゃないので。仕方ないですよ。けど…恵美里に何度そう励ましても恵美里は納得してくれなくて…」と徹が言う。
「この子ね、毎日ずっとあなたたちの話ばかりなんだけどね。恵美里にとってかなり意味のある大きな舞台でもあるの。恵美里の先輩たちが見に来るらしいのよ。元バンドメンバーの先輩たちが。だからね皆にはお願いなんだけど、恵美里がやりたいって言うなら、当日は少しキツくてもやらせてあげてほしいの。それまではキッチリ休ませるから」とお母さんは言った。
「もちろんです」と皆が声を揃えた。
「恵美里、俺聞いてなかったけど?アイツら見に来るって言ってるのか?てことはもちろんアイツも…」と護は言う。
「うん。皆に見てもらいたい。私がどれだけ充実した毎日を送れてるか、皆に愛されてるか、そしてどれだけ楽しく演奏ができてるかを。けど…あの人は来るかどうかはわからない。皆来るって言ってくれてるけど…あの人だけは…わからないんだ」と恵美里は言った。
「だからだったんだね。この文化祭にこだわったの。良いよ!本番は思いきり暴れな」と徹は言う。
「そうだよ!楽しめたらいいんだから!」と豊
「ミスとか気にしなくてもいい。とにかく楽しむこと!プロだってミスることぐらいあるんだから完璧にしようと思わなくていいから」と護は言った。
その言葉は恵美里だけに言ったものではなく、皆に言ったものでもあった。だからこそ皆の心にもしっかり響いたようだ。
皆は『はーい!』と声を揃えた。
「当日は俺も能登連れてちゃんと見るからな。もちろんプロ目線でスカウト前提にだが」と軽く圧をかける護。
「護さん、その圧かけるのはあんまり良くないです」と恵美里が言うと、
「圧か?これからプロになろうとしてるやつがこれくらいのこと圧だと感じる時点でアウトだ」と護は言って笑った。
賑やかで楽しい時間はあっという間に過ぎていき、皆は帰っていった。
「また明日ね~」って。恵美里も玄関まで送った。
けど…護だけはまだ残っていて、後片付けなどを手伝ってくれていた。
「護さんほんとに悪いわね~」とお母さん、
「いえ、好きでやってるんでもっと色々言ってくださいね」と護
「申し訳ないなぁ。いつも…来客なのに…早く息子になってくれないかな~?」とお父さん
「…それは…無理ですよ。恵美里には想いを寄せる相手がいますから。言わなくても見てればわかりますし…」と護
「そうかい、けど…たまには自分のキモチに正直にならんといかんよ?いい大人の男なんだから」とお父さんは言った。
そんな会話がされていることなんて全く知らずに、恵美里は皆を門まで送り門越しに皆の背中を見守っていた。
しばらくして、リビングに戻ると、洗いものを終えてくつろいでいるお父さんとお母さん。
ナゼか、コーヒーを飲みながら食卓のイスに座っている護。
「護さん?」と恵美里が声をかけると、
一瞬、恵美里に顔を向けて、笑いかけた。
「二人で話がしたい」と言った護に、部屋へと案内した恵美里。
いわゆる『女子』の部屋に入るのは初めてな護はついついキョロキョロしてしまった。
「あんまり見ないでくださいよ。恥ずかしいです」とボソボソ言う恵美里。
「あ、わりぃ」と護は言った。