あの日交わした約束
翌朝ー

恵美里はいつものように準備して家を出た。

そこには椿のメンバーが勢揃いし、「おはよう、恵美里」と最高の笑顔で迎えてくれた。

「おはようございます」と恵美里が言えば、

「ほら、鞄貸して‼今日は俺が持つから」と手を差し出してくれた宥。

恵美里は顔を赤くしながら「ありがとうございます」と渡した。

「もぉ~照れちゃって。ホントに…恵美里はかわいいね」と豊が言うので、恵美里は更に照れてしまい顔を赤くして俯いた。

皆は揃って学校に向かって歩き始めた。

「演奏は2曲が限界だと思ってる」と祐が言い出した。

「そりゃな。恵美里の体を考えると短く2曲がベストだろう」と豊

「有志発表は最終日、3日目やけど…大トリにしてもらったで!だから勝、少しくらいマイク持って話や」と宥は言った。

「じゃあ、恵美里のこと話してもいい?」と勝。

「もちろんです」と恵美里は笑った。

そんな近づいてくる文化祭の話をしながら学校へと向かった。

校門前で星光(会長)に出会う。

「おはようございます」と揃える皆。

「ああ、おはよう。どうだ?順調か?」と星光に聞かれ、

「当たり前ですやん!」と宥は言った。

二人の会話はいつも面白く、恵美里はついつい笑いそうになってしまう。

「あまり時間ないから、それなりに調整しとけよ?」と星光は会長っぽく言うが、ほんとはこんなキャラではない普通の男子高校生であることを皆は知っている。

周りに人がいるときは会長を演じているのだ。

「わかってる‼」と宥は返すのだった。

玄関のところで、宥が恵美里に鞄を渡し、「また後で~」と皆と去っていく背中を見送り、恵美里は靴を履き替え校舎に入った。

教室に向かう途中何人ものクラスメイトが声をかけてくれる。

恵美里を気遣い、周りの細々したことをかって出てしてくれる。

恵美里はそれに甘えながらありがとうとお礼を言った。

授業態度もさほど悪くない恵美里。

授業は平穏に進んだ。

体育だけは出れずに見学だったけど。
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