あの日交わした約束
はじまり
ウラギラレタ-
そんな想いは消えずにいる。
高校1年生になった、篠崎恵美里。
中学時代は先輩たちと楽しくバンド活動に励んでいた。
小学生の時に出たドラマーが集まったキッズオーディションで見事、グランプリと審査員特別賞をW受賞した恵美里はすぐに頭角を現し、あっという間にバンド結成へと至った。
作詞、作曲を手掛けながら、日々楽しい毎日を過ごしていた。ボーカルの先輩とも恋をしたりして。先輩が卒業するときには別れていたけど。
彼らは卒業するとき、「待ってるから必ずウチ来いよ」なんて言ってたのに…
恵美里が卒業する頃、恵美里の耳には、疑うような衝撃の事実が届いた。
先輩からのLINE
「ごめん。お前の席もうないから…」
信じてはずの大好きだったメンバーから告げられた。悔しくて、苦しくて、信じられなくて、逢いに行ったら、
他の先輩は大事に守ろうとしてくれたのに…元カレにあたるボーカルの先輩だけは吹っ切れたように平然と言い放った。
「別のやつがドラマーになったから」って。
許せない…先輩だけは…許さない‼
恵美里はその時、別の道を歩むのだと悟り、違う学校を選択した。
逢いたくなかった。同じ学校に行けば、自分が惨めな想いをする。彼らを見るたび、苦しむような気がすると。
そして、恵美里は違う学校に入学したのだが、
生きる希望を失ったように毎日脱け殻のような生活を送っていた。
とある休日、そんな恵美里を心配したお母さんからの連絡で、『アクラス』の社長、早川護(マモル)は、恵美里に連絡し、会うことになった。
恵美里にとって、護は兄のような、お父さんのような家族のような存在で何でも色々話してきた。もちろん恋愛の話も。
行き着けのカフェで逢うことになった二人。
二人はしばらくメニューを注文すると無言だった。
先に沈黙を破ったのは、護だった。
「恵美里、俺には本心を話して欲しいんだ。お母さんもお父さんも心配してるんだよ?毎日脱け殻のような生活を送っているって」と護
「…わかってる。護さんと約束したあの事だってちゃんと守りたい…でも、怖いの。いつかまた、新しいメンバーに出逢って、もしその人らと合わなかったら?解散したら?って。そしてあの人らがデビューしたら…って私、音楽を好きになれないかもしれないって。怖くてたまらないの…」恵美里はそう言いながら震えていた。
護はそんな恵美里を優しく抱き締めた。
「大丈夫だよ。何も心配いらない」と。
そこに注文したメニューが運ばれてきて、店員さん少し戸惑っているように見えた。
「こちらに置いときますね」と言って置くと、足早に去っていった。
そんな想いは消えずにいる。
高校1年生になった、篠崎恵美里。
中学時代は先輩たちと楽しくバンド活動に励んでいた。
小学生の時に出たドラマーが集まったキッズオーディションで見事、グランプリと審査員特別賞をW受賞した恵美里はすぐに頭角を現し、あっという間にバンド結成へと至った。
作詞、作曲を手掛けながら、日々楽しい毎日を過ごしていた。ボーカルの先輩とも恋をしたりして。先輩が卒業するときには別れていたけど。
彼らは卒業するとき、「待ってるから必ずウチ来いよ」なんて言ってたのに…
恵美里が卒業する頃、恵美里の耳には、疑うような衝撃の事実が届いた。
先輩からのLINE
「ごめん。お前の席もうないから…」
信じてはずの大好きだったメンバーから告げられた。悔しくて、苦しくて、信じられなくて、逢いに行ったら、
他の先輩は大事に守ろうとしてくれたのに…元カレにあたるボーカルの先輩だけは吹っ切れたように平然と言い放った。
「別のやつがドラマーになったから」って。
許せない…先輩だけは…許さない‼
恵美里はその時、別の道を歩むのだと悟り、違う学校を選択した。
逢いたくなかった。同じ学校に行けば、自分が惨めな想いをする。彼らを見るたび、苦しむような気がすると。
そして、恵美里は違う学校に入学したのだが、
生きる希望を失ったように毎日脱け殻のような生活を送っていた。
とある休日、そんな恵美里を心配したお母さんからの連絡で、『アクラス』の社長、早川護(マモル)は、恵美里に連絡し、会うことになった。
恵美里にとって、護は兄のような、お父さんのような家族のような存在で何でも色々話してきた。もちろん恋愛の話も。
行き着けのカフェで逢うことになった二人。
二人はしばらくメニューを注文すると無言だった。
先に沈黙を破ったのは、護だった。
「恵美里、俺には本心を話して欲しいんだ。お母さんもお父さんも心配してるんだよ?毎日脱け殻のような生活を送っているって」と護
「…わかってる。護さんと約束したあの事だってちゃんと守りたい…でも、怖いの。いつかまた、新しいメンバーに出逢って、もしその人らと合わなかったら?解散したら?って。そしてあの人らがデビューしたら…って私、音楽を好きになれないかもしれないって。怖くてたまらないの…」恵美里はそう言いながら震えていた。
護はそんな恵美里を優しく抱き締めた。
「大丈夫だよ。何も心配いらない」と。
そこに注文したメニューが運ばれてきて、店員さん少し戸惑っているように見えた。
「こちらに置いときますね」と言って置くと、足早に去っていった。