あの日交わした約束
文化祭
それからあっという間に1週間が過ぎた。
恵美里の肩はだいぶマシになっていた。
この日、恵美里は仕事終わりで、病院に行くことになっていた。
授業は普通に終え、練習に励む皆を見守る恵美里。
早めに練習を切り上げてくれた皆。
「良くなってるといいよね~」なんて豊は言う。
恵美里は笑顔で大きく頷いた。
しばらく皆で談笑しているとひょっこり顔を現した護。
「おー、今日は恵美里のことが気になって早めに切り上げたのか?」と護が言う。
「こんにちわ~」と皆は挨拶する。
恵美里が『護さん』と呼ぶため、皆もそう呼ぶようになっていた。
「もうすぐ文化祭だなぁ~ボルテージも上がってきてるんじゃない?」と護が言うと、
「そうですね。恵美里のことが心配ですけど…楽しむつもりでいます」と徹は言った。
「音楽は楽しむことが1番大事だからね!じゃあまた…」と護は恵美里の鞄を持つと歩き出し、恵美里は後ろをついていくようにして、音楽室をあとにした。
車に乗り込むまでお互い無言で…息が詰まりそうだった。
車に乗ると、護は
「はぁーホントに…あの場所は何回来ても慣れんな。息苦しい」と言った。
「そうですかね?」と笑った恵美里も深呼吸をした。
お互い席に座り、シートベルトを締めると、
「今からの方が緊張するな」と護は言って恵美里の顔を見た。
「そうですね!ドキドキします」と恵美里は護の顔を見た。
護は特に何も返すことなく、車をゆっくり動かせはじめた。
護は「最近どうだ?彼氏とはうまくやってんのか?」と聞く。
「はい…だって宥さんですよ?うまく行かないはず無いでしょう?毎日楽しくて平穏ですよ」と恵美里は笑う。
「なら、いい。なんかあったらいつでも言えよ?」と護が言って恵美里は大きく頷いた。
「あれからイジメは?」と護。
「それも大丈夫!生徒会が総力あげて私を守ってくれてるの。もちろん先輩たちも」と恵美里は言う。
「そうか。なら、良かった」と護、
「文化祭の日、ボーカルの勝さんがマイク握ってお話するから楽しみにしといて!公開処刑だって言ってたから結構大事になるかもよ」と恵美里は言った。
「おう、それは楽しみやわ」と護は笑った。
そんな話をしていると、病院に着いた。
シートベルトを外し、二人は車を降りて病院に入った。
結構混んでいたが、先生はすぐに呼んでくれた。
中に入ると、先生は恵美里の肩を触りながら
「どう?」と聞いた。
肩をゆっくり動かしてとあるゾーンに入ったとき、恵美里は少し顔を歪めた。
「痛むのはここか?」と先生に聞かれ頷く恵美里。
再レントゲンを撮ることになる。
が、状態は良好、かなり回復に向かっていた。
「ほーぅ。若さかな?だいぶ頑張ったんだね!随分良くなってるよ。これなら予定より早く治りそうだね」と先生は言って、新しく固定をしなおしてくれた。
「あの…文化祭は来週なんですけど…叩いても大丈夫ですか?」恵美里は一番気になっていたことを質問した。
「ああ、練習も再開していいよ!けど無理だけはしないようにね。痛みがキツかったらすぐにやめること!」と先生は言った。
「はーい!ありがとうございます」と恵美里は言って頭を下げた。
「文化祭いつ?時間あったらよるわー」って先生。
「え?ちょうど1週間後ですけど…いいんですか?」と恵美里が言うと、
「そこまで文化祭にこだわる理由が知りたいんだ。そんな万全じゃない体でも、叩きたい!と強く思う理由が。それにもし痛んでも対応してやれるしね」と先生は言ってくれて、恵美里は、更に頭を下げた。
「キミの熱意はボクの心を動かしてくれたからね!じゃあ、頑張って」と先生に見送られ、恵美里たちは病院を後にした。
「良かったな」と一言、護は言った。
恵美里の肩はだいぶマシになっていた。
この日、恵美里は仕事終わりで、病院に行くことになっていた。
授業は普通に終え、練習に励む皆を見守る恵美里。
早めに練習を切り上げてくれた皆。
「良くなってるといいよね~」なんて豊は言う。
恵美里は笑顔で大きく頷いた。
しばらく皆で談笑しているとひょっこり顔を現した護。
「おー、今日は恵美里のことが気になって早めに切り上げたのか?」と護が言う。
「こんにちわ~」と皆は挨拶する。
恵美里が『護さん』と呼ぶため、皆もそう呼ぶようになっていた。
「もうすぐ文化祭だなぁ~ボルテージも上がってきてるんじゃない?」と護が言うと、
「そうですね。恵美里のことが心配ですけど…楽しむつもりでいます」と徹は言った。
「音楽は楽しむことが1番大事だからね!じゃあまた…」と護は恵美里の鞄を持つと歩き出し、恵美里は後ろをついていくようにして、音楽室をあとにした。
車に乗り込むまでお互い無言で…息が詰まりそうだった。
車に乗ると、護は
「はぁーホントに…あの場所は何回来ても慣れんな。息苦しい」と言った。
「そうですかね?」と笑った恵美里も深呼吸をした。
お互い席に座り、シートベルトを締めると、
「今からの方が緊張するな」と護は言って恵美里の顔を見た。
「そうですね!ドキドキします」と恵美里は護の顔を見た。
護は特に何も返すことなく、車をゆっくり動かせはじめた。
護は「最近どうだ?彼氏とはうまくやってんのか?」と聞く。
「はい…だって宥さんですよ?うまく行かないはず無いでしょう?毎日楽しくて平穏ですよ」と恵美里は笑う。
「なら、いい。なんかあったらいつでも言えよ?」と護が言って恵美里は大きく頷いた。
「あれからイジメは?」と護。
「それも大丈夫!生徒会が総力あげて私を守ってくれてるの。もちろん先輩たちも」と恵美里は言う。
「そうか。なら、良かった」と護、
「文化祭の日、ボーカルの勝さんがマイク握ってお話するから楽しみにしといて!公開処刑だって言ってたから結構大事になるかもよ」と恵美里は言った。
「おう、それは楽しみやわ」と護は笑った。
そんな話をしていると、病院に着いた。
シートベルトを外し、二人は車を降りて病院に入った。
結構混んでいたが、先生はすぐに呼んでくれた。
中に入ると、先生は恵美里の肩を触りながら
「どう?」と聞いた。
肩をゆっくり動かしてとあるゾーンに入ったとき、恵美里は少し顔を歪めた。
「痛むのはここか?」と先生に聞かれ頷く恵美里。
再レントゲンを撮ることになる。
が、状態は良好、かなり回復に向かっていた。
「ほーぅ。若さかな?だいぶ頑張ったんだね!随分良くなってるよ。これなら予定より早く治りそうだね」と先生は言って、新しく固定をしなおしてくれた。
「あの…文化祭は来週なんですけど…叩いても大丈夫ですか?」恵美里は一番気になっていたことを質問した。
「ああ、練習も再開していいよ!けど無理だけはしないようにね。痛みがキツかったらすぐにやめること!」と先生は言った。
「はーい!ありがとうございます」と恵美里は言って頭を下げた。
「文化祭いつ?時間あったらよるわー」って先生。
「え?ちょうど1週間後ですけど…いいんですか?」と恵美里が言うと、
「そこまで文化祭にこだわる理由が知りたいんだ。そんな万全じゃない体でも、叩きたい!と強く思う理由が。それにもし痛んでも対応してやれるしね」と先生は言ってくれて、恵美里は、更に頭を下げた。
「キミの熱意はボクの心を動かしてくれたからね!じゃあ、頑張って」と先生に見送られ、恵美里たちは病院を後にした。
「良かったな」と一言、護は言った。