あの日交わした約束
その頃-

『アクラス』のオフィスに戻った護。

社長室について、作業を始めようとコーヒーを淹れて、デスクに着いたとき、

「社長、おかえりなさい。帰られたのではなかったですか?」と迎えてくれたのは能登。

「いやぁ、ちょっとね。で、何で能登君はここにいるのかなぁ?あ、能登君今時間あるか?」と護

「はい!何でしょうか?帰る支度していたんですが、社長の車が見えたので、戻られたのだと思いまして、こちらに来ました。」と能登。

「この動画…DVDにやいて貰えない?」と護は言って、スマホの動画を見せた。

「もしかして…彼等の動画ですか?」と能登。

「そうなの。復活したと言っても、完治していない肩でここまでフリー演奏出来るのスゴいだろう?皆もそれに合わせてアドリブで演奏してるんだ。この技術力とセンス…確信したよ。来年辺りにはウチの新人として売り出したい」と護が言うと、

「確かに…このセンスはホンモノですね。わかりました!すぐやきますので少しお時間いただいても?」と能登。

「あぁ、悪いな」と護。

「いえ。俺も楽しみになりましたよ。この動画見て更に…あ、自分のパソコン持ってきてここでやりますので、待っててくださいね!」と能登は言うと、一度社長室を後にした。

数分後、パソコンを持って能登は戻ってきた。

護は「すまんな。手間かけて…帰ろうとしてたのに…」と言って、コーヒーを目の前に置いた。

「いえいえ。大切なお仕事ですよ。彼等はウチの期待の星でしょう?大事にしないと!あ、コーヒーありがとうございます!社長よくわかりましたね。俺が甘党でコーヒー激甘なの…」と能登が言う。

「何年一緒にいると思ってんだ?これくらいはさすがにわかるようになる」と護は言った。

それから数十分、能登はサクッとDVDに上げて手渡してれた。

「確認しても良いか?」と護に言われ、二人で仕上がったばかりのDVDを確認した。

完璧に仕上がっていた。

「ありがとな。あ、お礼に飯でも奢らせてくれ」と護が言うと、

「良いんですか?」と能登

「さ、早く帰る支度しようぜ!何食いたい?」と護が聞くと、

「特には無いですけど…ガッツリ食べたいですね。けっこうお腹空いてるんですよぉ」と能登が言うと、

「そうか、中華とかどう?行き着けの店あるんだけど」と護が言うと、

「良いですね!」と能登は言う。

「じゃあ、そうしよう!行こ」と護は言った。

そして、二人はオフィスを後にした。
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