あの日交わした約束
駐車場につき、それぞれ車に乗り込んだ、護と能登。

護が前を走り、その後ろを能登がついていく形になった。

護は運転しながら予約を入れ、個室を抑えた。

お店に着いた、二人はそれぞれ車を降りて、お店の中に入った。

「いらっしゃいませ~」と元気な店員の声が店内に響き渡る。

「早川です」と護が言うと、

「早川様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」と店員に言われてついていく。

能登は少し緊張したような面持ちで二人の後に続いた。

案内された席は、完全個室の異空間…

能登は落ち着かない様子だった。

とりあえず、促され、向かい合って座った二人。

メニューを開いて驚愕している能登を他所にオススメを聞いたりと、平然としている護に能登は言葉かでない。

「好きなもの、好きなだけ食えよ。俺も腹が減ってる。値段とかしょーもないことは気にするなよ」と護は言って、適当にオススメを数品注文していた。

とりあえず、選んだ能登も注文を終えた。

二人は他愛ないプライベートな話からした。

しばらくして、テーブルに料理が運ばれてきて並べられる。料理を口にしながら二人は話する。

「社長、最近元気無いですよね?」といきなり能登は言い出した。

「…うっ…バレてるか?」と護

「分かりやすいですよ」と笑う能登。

護は腹をくくったのか、恵美里への熱き想いを語り始めた。

何年も片想いしていること、人生の希望だと…

けど…多少の後悔をしていることも。

恵美里の両親に聞かれたとき、素直に言えなかったと…

年が14も離れているということが護を苦しめ続けてきたと…

どの話にもちゃんと能登は聞いてくれた。

適度な相槌で。

話を聞き終えて、「で、社長はどうしたいですか?…」と能登は言う。

「出来ることならいつかちゃんと気持ちは伝えて…結婚と言う形になれば理想かな。恵美里を支えるのは俺で居たいんだよ。どんなときも二人で分かち合って、乗り越えてさ…」と護は能登に素直な気持ちを話した。

「いつか叶うと良いですよね。今はまだあの子も高校生…高校生活enjoyするなら、彼氏くらい居ても仕方ない…俺はそんな風に考えます。けど…大人になって、正面から向き合える日が来ることを俺は信じますよ。二人で幸せになって欲しいと俺は心から思います。大好きな社長ですからね!」と能登に言われて、ありがとうと護は大きく頷いた。

「こうして能登君と食事しながら話せて良かったよ。半ば強制にウチに引っ張って良かった。これからもよろしく頼む」と護は言って、頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ、情熱的で、感性の豊かな社長の元で働けて幸せです。これからも俺のこと、見捨てないでください」と能登らしく頭を下げたのだった。

二人はしばらくしてお互いに顔を上げ、見つめ合うようにして笑いながら深い握手をした。

「これからも時々は飯とか飲みに付き合ってね?これは社長命令とかじゃなく、能登君とならプライベートな時間も楽しく過ごせそうな気がしたから」と護が言うと、能登は笑った。

「もちろんですよ」と。

しばらくして二人はそれぞれ帰宅した。

お互いに有意義な時間を過ごせたと満足していた。


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