あの日交わした約束
ふたりは拍手しながら、舞台に立つメンバーを見守っていた。

終わった生徒会メンバーはとてもイキイキしていた。

そして、「おう、隼人!いい写真取れたんだろうな?」と会長が言うと、

「当たり前ですやん!」と隼人は笑っていた。

そして、二人に気づいた会長が、恵美里と宥のところに来た。

「ずるいわ~」と宥

「あ?何がやねん!」と会長

「かっこ良かった」と宥は言い、うんと会長は言った。

恵美里は思わず笑ってしまった。

「明日やな。いよいよ…」と会長はいきなり話を恵美里にふった。

「…はい。楽しみです」と恵美里は笑う。

「楽しめよ。長めに時間は確保しといてやったからな。倍以上の時間見込んでるから。あ、けど。無理はすんなよ?悪化させても悪いからな」と会長は言い残すと、片付けを始めてしまった。

宥と恵美里はそんな会長を眺めていた。

そして体育館を後にした。

この時、二人は明日起こる出来事をまだ知らなかった。

二人の時間を楽しんで、中庭で話し込んでいると、椿のメンバーが現れた。

「いよいよ明日だねーどう?練習でもしとく?」と豊が言う。

「いいだろう。しなくても…明日は楽しむことだけ考えよう。恵美里にワザワザ負担かけてやらなくていい」と徹は言う。

「だよねー!」と他のメンバーが言うため、その日は練習をすることはなかった。

変わりに、隼人の話で盛り上がった。

「うっわぁーアイツ?マジないわ」と祐が言い始める。

「どーゆう意味ですか?あの人のすごさ、わかってませんね!絶対護さんならわかってくれると思います!」と恵美里は言いきるのだった。

そんな話をしながら和んでいる間、片付けを終えて、生徒会室にいる会長は、隼人と話していた。

どうやら、自分の作品に興味を持ってくれた恵美里のことが気になったらしい。

「珍しいな。人間不信のお前が、人に興味持つなんてな」と会長が言うと、

「失礼な!人間不信ちゃいますわ。俺だって理解してもらえるんやったら、そうなりませんでした。けど、俺の感性は理解されへんかった。だから閉ざしてきたんです。けど、あの人は違った。初対面の俺に友達になってくれって言ってきた。初めて同年代の人にそういってもらえた。それがただ嬉しくて…興味を持った。会長は仲いいみたいだから、話聞きたくて」と隼人は言った。

「うん。そっか…じゃあとりあえず座りなよ!話してやるよ」と会長は言い、隼人を座らせた。
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