あの日交わした約束
「あの子ね…」と会長は口を開いた。

恵美里との関係や、恵美里のこと、アクラスのことなどを話し始めた。

「そうなんだ…知らなかった。篠崎さんも色々あるんやな!ありがとう。もう少し接し方も考えるようにする」と隼人は言った。

「そこでお前に朗報や。芸能事務所アクラスの社長と敏腕スカウトマンが来るらしいで。社長は恵美里ちゃんの…あ、イヤ、これはあんまり言わん方が言いか?…そのスカウトマン、芸術、美術、写真など多様なものに精通してるらしくてな、本気でプロ目指したいなら要チェックしときや!アピールしとけばプロなれるかもしれんで!」と会長は言った。

「ほんまか?その話」と興奮気味の隼人

「マジやで。あ、けど、この話はあくまでも内密に頼むでー口外禁止で」と会長はいって、

「わかった!ありがとう」と隼人は言った。

「けど、アピールってどうすれば…」と隼人は独り言ように呟く。

「居るやん!適任者が。てか、隼人の写真見たら反応するやろ」と会長は言った。

「そうか?」と隼人、「篠崎さんなめたらあかんで~あの人の人脈大概よ?」と会長は笑うのだった。

「おう」と隼人は笑った。

「なぁ、少し手伝ってくんねぇ?」と会長に言われて手伝う隼人。

「なんかご褒美くれよ?」と言う隼人。

そしたら会長はいきなり、これでどうだ?と迫りながら唇を奪った。

顔を真っ赤にしながら口を押さえている

「可愛いなぁ。お前は…」と頭をくしゃっとする会長。

「…なっ…」と抵抗しようとしている隼人に

「どうだった?俺の…キスは…」と真顔で聞いてくる会長に呆然としながらも、

「柔らかかった…病みつきなりそう…」と答えてしまう隼人に、会長は高らかに笑った。

会長は伝説のキス魔だった。

宥を始め、被害?を受けた男子は多数いる。

いわゆる、男子をターゲットにしたキス魔で、何かあるとこれを武器に色々としてくる。

表向きは少し柄の悪い会長だが中身はただのドSエロ男子…

生徒会にも被害者がいる。

「爽やかにキスすんなや!しかもメッサ上手いし…」と言う隼人に。

「まぁな。被害者お前だけちゃうしな?」としれっと返す会長に言葉を失った隼人。

隼人は早く片付けて部屋を出ようとしたが…会長はそうはさせなかった。

壁ドンをかまし、さらにキスを迫ったのだった。

それを受け入れてしまった隼人は腰を抜かし、一人で立っていられなくなり、会長に体を預けた。

会長はしばらく堪能して、隼人を解放した。

会長は「ほら、隼人帰るぞ!」と何事もなかったかのように振る舞い、一緒に二人は下校した。
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