あの日交わした約束

皆のところに戻った恵美里は

「どうだった？」と宥たちに囲まれた。

「赤く腫れ上がってて…とりあえず、冷却してもらいましたけど…今日も病院来るように言われました。再検査してレントゲン取るって…」と恵美里が言うと

「そっかー無理させたかな？ごめんね？」と勝が謝った。

「ううん。私の気持ち、皆が叶えてくれたから。最高のパフォーマンスになったと思ってるし、楽しかった！ありがとう、皆」と恵美里が言うと、

ハルとノブが泣きながら現れて…

「…恵美里ちゃん…無理…」と言って恵美里に抱きつくハル。

「俺のせいで…ここまで苦しめてたとは…本当にごめん！」とノブが言う。

「…大丈夫！ノブのせいじゃない。私は皆に大事にされてるもん！だからこれからも応援してね」と恵美里は言った。

抱きついてるハルに対しては、

「何が無理？」と聞く恵美里。

「…かっこよすぎて…もう追いつけない。テク上がったね。もう完コピ出来るなんて言えないよぉ…」とハルは言う。

「無理に完コピする必要無いでしょう？ハルはハルなんだから…ノブが認めたんでしょ？ハルらしく演奏していけばいいじゃない」と恵美里が言うと

「もぉぉ～かっこ良すぎるよ！」とハルは言いながら、恵美里に抱きつく力を強めた。

「さ、そろそろ解散しようか」と宥が言う。

「えっ？これからがいいのに？俺ら…」って天然な豊に。

「違うわ！今からお開きにしようって意味…豊、意味違う…」と宥は言う。

「ごめん～だよね」と豊は笑って皆も笑った。

「葉月どうする？俺、恵美里を病院連れて行って帰るけど…」と護は言う。

「あー、そうだよね。俺タクシーでも拾うわ」と能登が言う。

「ん？それってどういう…」と恵美里が言うと、

「今日さ、俺の車で一緒に来たからさ」と護が言った。

「あ～なるほど。そういうこと…なら能登さんもせっかくなんで、一緒に家寄って護さんに送ってもらったら？」と恵美里が言った。

「…良いのか？」と護が言う。

「…ん？今からお母さんに連絡してみるから少し待ってて」と恵美里は言ってスマホを取り出し、電話をかけ始めた。

理由を説明すると、お母さんは納得したように快諾した。そして、張り切ってご飯準備すると言い出した。

せっかくだから皆にも来てもらってお祝いすれば？とまで言っている。

それを皆に伝えたが、皆はお断りした。

またの機会にすると。

そして、皆にバイバイして恵美里と護と能登は帰ることにした。

駐車場に出ると、見慣れない車で…恵美里は少し戸惑っていた。

「あー、ランボルギーニちゃうからわからんかった？今日はこのメンバーになるような気がして、よう、乗ってこれやんかってんアレ…」と護が言うと、

「そうですか…確か2人乗りですもんね➰アレ…」と恵美里は納得した。

「俺は2人のときでもランボルギーニ乗せて貰ったことない」と拗ねるように言う能登に二人は笑った。

護が運転し、車は出発した。