あの日交わした約束
次の日、 まだもう1日休みなのを良いことに、恵美里は久しぶりにドラムの前にいた。
イスに座りスタンバイすると、叩き始めた。
簡単なビートを刻むだけの練習だけど、久しぶりに叩くドラムとしては充分だった。
何時間かビートを刻んでいると、お母さんが
「ご飯にしましょう」と現れて、恵美里は食事をした。
「あなたの夢を応援するって私は決めてたから…あなたがやる気になってくれてお母さんは嬉しいわ」とお母さんは言う。
改めて、お母さんの本音を知った恵美里はありがとと笑った。
翌日ー
学校に向かう恵美里には笑顔さえ見えていた。鼻歌が聞こえそうなほど明るかった。
心がスッキリしたのがよくわかった。
学校に着くと今までの脱け殻のような生活は一変した。
授業も真面目に受けるようになった。
皆が部活を決めていく中で一人、部活には入らなかった恵美里。
放課後は暇なものだった。
いつもなら何も考えずに帰宅する恵美里だったが、図書室にでも行こうかと廊下を歩いていた。
ふと、あるものが目に入り、足を止めた。
掲示板に貼られた1枚の紙…
『バンドやってます‼文化祭出たいので、仲間になってくれる人を募集!!ドラマーさん集まれ!場所、第2音楽室』と書いてあった。
恵美里はこんなのが貼ってあるのさえも、入学して3ヶ月が過ぎようとしている今まで気づくことはなかった。
『これはもしかしたらチャンスなのかもしれない』そう感じた恵美里は第2音楽室に向かうことにした。
が…第2音楽室が何処にあるのか知らなかった恵美里は偶然近くを通った1学年上の先輩に声をかけた。
「すいません、第2音楽室に行きたいんですけど…どこですか?」って。
「ん?第2音楽室?行きたい人珍しいけど…いいよ。俺が連れていってあげるよ」と言った先輩。
「ありがとうございます」と笑う恵美里。
二人は並んで歩いた。
「1年生?名前は?」と先輩が聞く。
「篠崎恵美里です。さっき、廊下でバンド仲間募集って紙見かけて…」と恵美里が言うと
「じゃぁ、もしかして…ドラム希望の??あ、俺、2年3組の暁(アカツキ)宥ね!」と先輩、宥は言った。
恵美里は頷き、よろしくお願いいたしますと頭を下げた。
「恵美里ちゃんってさ、昔オーディション番組とか出てた?」と宥は聞く。
「はい。その大会で、グランプリと特別賞を受賞して…ってなんでそのこと知ってるんですか??」と恵美里が言うと、
「実は…多分記憶には無いと思うけど、その時準グランプリ取ったんだよ、俺。同じオーディション番組の参加者だった」と宥は言う。
恵美里は嘘だと思った…信じられなかった。
そんな偶然があるのかと…。
「アイツら俺のダチなんだよ。着いたら紹介するけど。過去に数回ドラマーが辞めてて伝説のバンドとも呼ばれてるけどな。俺もその一人だけど…俺が辞めたのはやりきったからで、あくまで円満にってとこで、今でも仲良くしてるから」と宥は言った。
「そうなんですか…」そんな話をしてると、第2音楽室に着いた。
勢いよくドアを開けた宥の横で緊張して、体が思わず強ばってしまった恵美里。
「大丈夫だよ」と耳打ちされ少し落ち着いた恵美里は改めて皆をみた。
「宥、その子誰?」とメンバーの一人が言う。
「新ドラマー希望の子、1年でここの場所わかんないって言うから、連れてきた」と宥は言う。
一人の男子が近づいてきて、「もしかして…恵美里ちゃん?」と声をかけた。
「…えっと…和田徹先輩?」と恵美里が言うと、
「そうだよ!やっぱり恵美里ちゃんだよね?!なんでウチにいるの?あの人らとはどうなったの?」と徹は言う。
「…切られたんです。裏切られて…待ってるから必ず来いよ?って言ってたはずの彼らの元に私の居場所はありませんでした。別の人が座ってたんです。だから…」と恵美里は涙ながらに言う。
「なるほどね。辛くてこっち来たの??俺らはラッキーだけど」と徹が言うと、
「何者なんだよ!ちゃんと紹介しろ!」と別のメンバーが言った。
イスに座りスタンバイすると、叩き始めた。
簡単なビートを刻むだけの練習だけど、久しぶりに叩くドラムとしては充分だった。
何時間かビートを刻んでいると、お母さんが
「ご飯にしましょう」と現れて、恵美里は食事をした。
「あなたの夢を応援するって私は決めてたから…あなたがやる気になってくれてお母さんは嬉しいわ」とお母さんは言う。
改めて、お母さんの本音を知った恵美里はありがとと笑った。
翌日ー
学校に向かう恵美里には笑顔さえ見えていた。鼻歌が聞こえそうなほど明るかった。
心がスッキリしたのがよくわかった。
学校に着くと今までの脱け殻のような生活は一変した。
授業も真面目に受けるようになった。
皆が部活を決めていく中で一人、部活には入らなかった恵美里。
放課後は暇なものだった。
いつもなら何も考えずに帰宅する恵美里だったが、図書室にでも行こうかと廊下を歩いていた。
ふと、あるものが目に入り、足を止めた。
掲示板に貼られた1枚の紙…
『バンドやってます‼文化祭出たいので、仲間になってくれる人を募集!!ドラマーさん集まれ!場所、第2音楽室』と書いてあった。
恵美里はこんなのが貼ってあるのさえも、入学して3ヶ月が過ぎようとしている今まで気づくことはなかった。
『これはもしかしたらチャンスなのかもしれない』そう感じた恵美里は第2音楽室に向かうことにした。
が…第2音楽室が何処にあるのか知らなかった恵美里は偶然近くを通った1学年上の先輩に声をかけた。
「すいません、第2音楽室に行きたいんですけど…どこですか?」って。
「ん?第2音楽室?行きたい人珍しいけど…いいよ。俺が連れていってあげるよ」と言った先輩。
「ありがとうございます」と笑う恵美里。
二人は並んで歩いた。
「1年生?名前は?」と先輩が聞く。
「篠崎恵美里です。さっき、廊下でバンド仲間募集って紙見かけて…」と恵美里が言うと
「じゃぁ、もしかして…ドラム希望の??あ、俺、2年3組の暁(アカツキ)宥ね!」と先輩、宥は言った。
恵美里は頷き、よろしくお願いいたしますと頭を下げた。
「恵美里ちゃんってさ、昔オーディション番組とか出てた?」と宥は聞く。
「はい。その大会で、グランプリと特別賞を受賞して…ってなんでそのこと知ってるんですか??」と恵美里が言うと、
「実は…多分記憶には無いと思うけど、その時準グランプリ取ったんだよ、俺。同じオーディション番組の参加者だった」と宥は言う。
恵美里は嘘だと思った…信じられなかった。
そんな偶然があるのかと…。
「アイツら俺のダチなんだよ。着いたら紹介するけど。過去に数回ドラマーが辞めてて伝説のバンドとも呼ばれてるけどな。俺もその一人だけど…俺が辞めたのはやりきったからで、あくまで円満にってとこで、今でも仲良くしてるから」と宥は言った。
「そうなんですか…」そんな話をしてると、第2音楽室に着いた。
勢いよくドアを開けた宥の横で緊張して、体が思わず強ばってしまった恵美里。
「大丈夫だよ」と耳打ちされ少し落ち着いた恵美里は改めて皆をみた。
「宥、その子誰?」とメンバーの一人が言う。
「新ドラマー希望の子、1年でここの場所わかんないって言うから、連れてきた」と宥は言う。
一人の男子が近づいてきて、「もしかして…恵美里ちゃん?」と声をかけた。
「…えっと…和田徹先輩?」と恵美里が言うと、
「そうだよ!やっぱり恵美里ちゃんだよね?!なんでウチにいるの?あの人らとはどうなったの?」と徹は言う。
「…切られたんです。裏切られて…待ってるから必ず来いよ?って言ってたはずの彼らの元に私の居場所はありませんでした。別の人が座ってたんです。だから…」と恵美里は涙ながらに言う。
「なるほどね。辛くてこっち来たの??俺らはラッキーだけど」と徹が言うと、
「何者なんだよ!ちゃんと紹介しろ!」と別のメンバーが言った。