あの日交わした約束
放課後になり、恵美里はいつものように音楽室に向かうため、廊下を歩いていた。
いきなり前から現れた一人の男子生徒がぶつかってきた。そして勢いついて恵美里はそのまま右側からこけてしまった。
避けきれなかった恵美里は顔をしかめて痛がり、しばらく立ち上がることができなかった。
「あ?お前の目は後ろにでもついてるのか?」と笑いながら通り際に『調子のってんじゃねぇよ。女にドラム叩けると思ってんのかよ?ましてや…アイツらの…』と言われて蹴られてしまった。
この発言こそ、初代のドラマーであることを証明していた。
恵美里は何も言えず、ただ、その場に倒れたまま。ぶつかられた方の腕を抑えて。
そこに迎えに来てくれたのは、椿のメンバーと宥だった。
「ん?恵美里どしたの?大丈夫?」と声をかけてくれる豊。
そしてそっと手を差しのべてくれた。恵美里はありがとうございますと言いながら、豊の手を取ったが右側には力が入らず空回り。
「もしかして…痛むのか?立てない?」と徹も心配そうに言って体を支えながら立ち上がらせてくれた。
「叩けるか?ドラム…」と言うのは勝。
「おい、勝心配するとこそこじゃねぇだろう?恵美里のこと、心配しろよな!」と言う祐。
この頃には皆、恵美里を呼び捨てするようになっていた。
皆のその発言を聞いて思わず笑ってしまう恵美里。
「とりあえず保健室先行こうか」と宥に言われて、頷いた。
「無理しなくていいからね!体1番大事だし…俺ら先行ってるよ~、宥後頼むね」豊はそう言うと、皆と一緒に去っていった。
宥と恵美里は保健室に向かった。
保健室に着いた二人。「どしたのー?」と声をかけてくれる保険医。
「男子にぶつかられてこけたんです。肩を強打しました」と恵美里が言うと
「ちょっと見せてもらえる?」と保険医に言われて頷いた。
恵美里の肩を見るとかなり赤く腫れ上がっていた。
「かなり強くぶつかられたのかな?こけるくらいだものね…だいぶ赤く腫れているみたいだけど…」た保険医は言った。
「えっと…」恵美里は返事に困った。
宥に心配をかけたくないと言う想いも多少あった。
けど、それ以上に叩けなくなることが一番辛く、怖いからだ。
「正直に言いなさい」と保険医は言って、宥の顔を見た。
『過去にも同じようなことがあった』と言うことを、思い知る形となった。
「今回はこの子なの?暁君?」と保険医は言う。
頷く宥。「はぁぁ、あの子懲りないわね。なんとかしなさいよ?」と保険医は言った。
「あの人に絞めてもらいますよ」と宥が言うと、
「早めに対策しないからこんなことなるのよ?これから被害者増やさないために、そして、この子がこれ以上苦しまないためになんとかしなさい‼彼女、ホンモノなんでしょう?」と保険医は言って、宥は頷いた。
二人の会話についていけず、ただその様子を眺めていた恵美里。
「とりあえず湿布貼っときましょうね。夜になっても痛みがひかないようなら念のため、病院に行くようにね」と保険医に言われて、湿布を貼ってもらい、保健室を後にした。
「あの宥さん、過去にも同じことが?」と恵美里が言うと、
「話したよね?過去に何も言わずに辞めた人が数人いたって。その人の中には同じことをされた人がいたんだよ」と宥は言った。
恵美里は言葉を探したが何も言えなかった。
いきなり前から現れた一人の男子生徒がぶつかってきた。そして勢いついて恵美里はそのまま右側からこけてしまった。
避けきれなかった恵美里は顔をしかめて痛がり、しばらく立ち上がることができなかった。
「あ?お前の目は後ろにでもついてるのか?」と笑いながら通り際に『調子のってんじゃねぇよ。女にドラム叩けると思ってんのかよ?ましてや…アイツらの…』と言われて蹴られてしまった。
この発言こそ、初代のドラマーであることを証明していた。
恵美里は何も言えず、ただ、その場に倒れたまま。ぶつかられた方の腕を抑えて。
そこに迎えに来てくれたのは、椿のメンバーと宥だった。
「ん?恵美里どしたの?大丈夫?」と声をかけてくれる豊。
そしてそっと手を差しのべてくれた。恵美里はありがとうございますと言いながら、豊の手を取ったが右側には力が入らず空回り。
「もしかして…痛むのか?立てない?」と徹も心配そうに言って体を支えながら立ち上がらせてくれた。
「叩けるか?ドラム…」と言うのは勝。
「おい、勝心配するとこそこじゃねぇだろう?恵美里のこと、心配しろよな!」と言う祐。
この頃には皆、恵美里を呼び捨てするようになっていた。
皆のその発言を聞いて思わず笑ってしまう恵美里。
「とりあえず保健室先行こうか」と宥に言われて、頷いた。
「無理しなくていいからね!体1番大事だし…俺ら先行ってるよ~、宥後頼むね」豊はそう言うと、皆と一緒に去っていった。
宥と恵美里は保健室に向かった。
保健室に着いた二人。「どしたのー?」と声をかけてくれる保険医。
「男子にぶつかられてこけたんです。肩を強打しました」と恵美里が言うと
「ちょっと見せてもらえる?」と保険医に言われて頷いた。
恵美里の肩を見るとかなり赤く腫れ上がっていた。
「かなり強くぶつかられたのかな?こけるくらいだものね…だいぶ赤く腫れているみたいだけど…」た保険医は言った。
「えっと…」恵美里は返事に困った。
宥に心配をかけたくないと言う想いも多少あった。
けど、それ以上に叩けなくなることが一番辛く、怖いからだ。
「正直に言いなさい」と保険医は言って、宥の顔を見た。
『過去にも同じようなことがあった』と言うことを、思い知る形となった。
「今回はこの子なの?暁君?」と保険医は言う。
頷く宥。「はぁぁ、あの子懲りないわね。なんとかしなさいよ?」と保険医は言った。
「あの人に絞めてもらいますよ」と宥が言うと、
「早めに対策しないからこんなことなるのよ?これから被害者増やさないために、そして、この子がこれ以上苦しまないためになんとかしなさい‼彼女、ホンモノなんでしょう?」と保険医は言って、宥は頷いた。
二人の会話についていけず、ただその様子を眺めていた恵美里。
「とりあえず湿布貼っときましょうね。夜になっても痛みがひかないようなら念のため、病院に行くようにね」と保険医に言われて、湿布を貼ってもらい、保健室を後にした。
「あの宥さん、過去にも同じことが?」と恵美里が言うと、
「話したよね?過去に何も言わずに辞めた人が数人いたって。その人の中には同じことをされた人がいたんだよ」と宥は言った。
恵美里は言葉を探したが何も言えなかった。