女嫌いのイジワル上司を攻略します!
バッと振り返ると、腕を組んで少々不機嫌気味な倉西さんが立っていた。
「おいおい倉西〜。盗み聞きはよくねぇって。
なぁ、まこちゃん!」
そんな倉西さんに全く怯む様子もなくそんな軽い口を叩いているのは私の隣のデスクの佐久間さんだ。
あんなに怖そうに見えるのに、同期とはいえよくそんな事が言えるなとある意味、彼を尊敬する。
しかも、まこちゃんって...。私の事?!
ふと気がつけば、佐久間さんが私に話題を振ったせいで、なぜかその場にいるみんなが私に視線を集中させている。
なんで私...。と、困り果ててしまった私はとりあえずアハハと苦笑いを浮かべた。
「ったく。お前が言うその、まこちゃんとやらに言い忘れたことがあって指導しに戻ってきたら、お前らがうるせぇ声で話してんのが聞こえただけだ。
盗み聞きなんてしようと思わなくても聞こえる音量で話すお前らが悪いだろ。
んで?室見。去年の俺の指導がなんだって?」