女嫌いのイジワル上司を攻略します!
「えっ!?どこが不安要素??
社会人としてちゃんと働いてるし、お金を派手に使ってそうには見えなかったし...」
とりあえず、社会人としての基礎的な所を挙げてみると、「そんな根本的に人として当たり前の部分じゃなくて!」と真帆に全力で否定された。
それでもなにか不安な点があるようには見えないけど、とりあえず真帆が言う倉西さんの不安要素が何なのか自分なりに探してみた。
上司からも信頼されてて仕事も出来て。
頭も良さそうだし、言うことないと思うんだけどな...。
「うーん。言うことないと思うけど...。」
私がそう言うと、真帆はそれだ!という言葉が聞こえそうなくらいピシャッと人差し指を私に向けた。
「そう!それよ、それ!
言うことないって所が問題なの!」
「へ?」
そこまで聞いても何もピンと来ていない私の様子を見て、真帆はふぅ〜と呆れたように話を始めた。
「なにも言うことないってことは、どういうことか分かる?」
「.....うーん。完璧ってこと?」
「そうね。完璧。
じゃあ、完璧だったらどういう事が起こると思う?」
まるで子どもを諭す母親ような言い方で真帆は私にどんどんヒントをくれる。
でも私は一向に真帆の言いたいことがよく分からなかった。