女嫌いのイジワル上司を攻略します!




「そっか。やっぱりね。」



少し寂しそうな表情でそう呟いた彼女は私に向けて微笑んだ。


「幸せにしてあげてくださいね。潤のこと。」


「へっ?」



てっきり別れてくれとか、似合ってないとか、相応しくないとか、そういう類のことを言われると思ってた私は拍子抜けしてしまった。



拍子抜けしている私に向かって、あの頃の潤さんのように切ない顔を浮かべながら彼女は言葉を続けた。


「私、本当は別れたくなかったから…。

別れる時、がんばって嘘ついて、潤を傷つけて、別れたの。」



「そうだったんですか…。」



じゃあ、2人とも同じ思いで別れたってことなのかな…。


2人ともきっとずっと未練があって、お互いがお互いを必要とした状態で別れることになったの?



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