女嫌いのイジワル上司を攻略します!



そうして、今日、私の誕生日がやってきた。



いつも通り、黒のSUV型の車で迎えに来てくれた潤さん。



「おはよ〜」


そう言って車に乗ったら、いつもより更に優しい顔で「おはよ。おめでとう、茉詩」と言ってくれた。



この人を手離すことになるかもしれないなんて。


そんなことを考えただけで、涙が出そうになる。



離れたくない。



でも、言わなきゃいけない。
タイムリミットの12時まであと2時間。


どこで話そう…と悩んでいたら、潤さんの家に着いた。


いつも通り家に上がると、机の上に小さな箱が置いてあって、その横には手紙も添えられていた。



「誕生日おめでとう、茉詩。

今日の夜はディナーに行くから、ランチは俺が作ろうと思って。」






< 166 / 197 >

この作品をシェア

pagetop