女嫌いのイジワル上司を攻略します!
そうして、今日、私の誕生日がやってきた。
いつも通り、黒のSUV型の車で迎えに来てくれた潤さん。
「おはよ〜」
そう言って車に乗ったら、いつもより更に優しい顔で「おはよ。おめでとう、茉詩」と言ってくれた。
この人を手離すことになるかもしれないなんて。
そんなことを考えただけで、涙が出そうになる。
離れたくない。
でも、言わなきゃいけない。
タイムリミットの12時まであと2時間。
どこで話そう…と悩んでいたら、潤さんの家に着いた。
いつも通り家に上がると、机の上に小さな箱が置いてあって、その横には手紙も添えられていた。
「誕生日おめでとう、茉詩。
今日の夜はディナーに行くから、ランチは俺が作ろうと思って。」