女嫌いのイジワル上司を攻略します!



「茉詩はゆっくりしてて。」



そういってキッチンへ向かおうとしてる潤さんを見て、やっぱり一緒に居たいと思ってしまう。


小さな箱を開けてみると、キラキラしているピアスが入っていた。


これ、私の憧れのブランドの限定品だ…。


いつかちょこっと話しただけなのに覚えてくれてたんだ…。



「潤さん…ありがとう」



カウンターキッチンの向こうで、
「喜んでもらえてなにより」と笑う潤さんに駆け寄って、後ろからぎゅっと抱きついた。



「だいすき。」


「うん。俺も」


そう言って料理する腕を止めて私の方を向いてくれる。


私の前髪をかき分けるように頭を撫でたあと、優しいキスをしてくれる。



幸せ…。


でも、この幸せはあの事を伏せたまま続かせちゃいけない。



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