女嫌いのイジワル上司を攻略します!
確かに俺は小夏が自分にとって必要な相手だと思っていたし、別れたことを後悔してた。
もっと引き止めておけば。
もっと俺の気持ちを伝えておけば。
そんなことばっか考えてた時期もあった。
「でもな、小夏。
俺実は記事のこと、知ってたんだ」
「えっ?」
俺の言葉にかなり驚いたような顔をした小夏。
そりゃそうだよな。
でも、俺は当時教育係で指導してくれてた西野さんに聞かされてたんだ。
『倉西。
本当は内密だったけど、これ。
お前だよな。
今度ウチのイメージキャラに宮田小夏をつけることになった。
これが公に出たら、彼女もお前もあまりいい影響は出ないだろう。
でも、だからといって別れろとは言わない。
俺だって、仕事で辛い時とか疲れた時、そばに居てくれる彼女の存在がかなり大きいから。
宮田小夏の事務所はこの記事をお金で揉み消す代わりにお前と別れることを条件として言ってきてる。
だから、表向きは別れたことにして、隠れて付き合っていたらいいんじゃないかと俺は思ってる。
規則とか世間体とかで純粋な恋愛を潰すのは俺としても不本意だ。
優秀な倉西を支えてくれてる存在だとも思ってるし。
本当はお前には話すなって上から言われてたんだけど、こんな話、黙っておくのも俺の性にあわないから。』