女嫌いのイジワル上司を攻略します!



歓迎会のお店は本当に会社の近くにあった。



ガラガラと引き戸を開けて暖簾をくぐると、すぐ側の席に営業一課の皆さんが座っていた。



「お〜!まこちゃん!大丈夫だった?」



私の登場にすぐに佐久間さんが気づいてくれて優しく声をかけてくれる。


「すみませんでした。ご心配をお掛けして...」



そう言って頭を下げると、ほんと元気になってよかったよ〜と優しい室見さんの声も聞こえる。



ぱっと頭を上げて、声がした方へ頭を向けると、佐久間さんの向かい側に座った倉西さんとパチッと目が合った。



でも、その目はすっと逸らされてしまってやっぱり倉西さんは怒ってるんだと改めて痛感した。



まぁ、当然なんだけど。



「小夏ちゃん、こっちこっち〜」



と声をかけられるままに用意してもらった女性社員に囲まれた席に座って、心配してくださる声を聞きながら、なんやかんやとバタバタしていると、ビールが運ばれてきた。



「じゃ、まこちゃん。営業一課にようこそ!
堅苦しい挨拶は抜きにして。

ここに入ってからこの鬼指導係にヤンヤン言われて大変だったと思うけど、たぶんすっげぇ頼れる奴だと思うんで、許してやって?

これからはまこちゃんの無理のないように俺らもサポートするから、一緒に頑張っていきましょう!乾杯!」



佐久間さんの言葉に笑いを交えながら乾杯をして、周りの人たちと雑談をする。
営業部ではかなり少数派の女性社員が固まっているおかげで営業一課の事務の方たちとも仲良くなれた。




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