女嫌いのイジワル上司を攻略します!
「だって...。
倉西さんに、迷惑かかっちゃうと思って...。大事なプレゼンの前に心配もかけたくなかったですし。」
私の言葉に、やっぱりお前はなんにも分かってねぇな。とため息をつく倉西さんがしばらくして、私の方を呆れた顔で見つめた。
「あのなぁ。俺はお前の指導係だ。
俺に迷惑かけずに成長できると思うな。
お前の心配ぐらいさせてくれ。
なんのためのマコ担当だよ。」
そんな言葉を発する倉西さんの表情はすごく優しくて、私は涙が出そうになった。
そんな私の頭をポンポンと撫でて、ほら。と私のグラスにビールを注ぐ倉西さんはやっぱり指導係としても完璧な人だ。
「倉西さん...。すみません。」
「いいから。もう謝んな。
俺も。マコの限界知らずに、どこまでも頑張れる奴だって仕事いっぱい振って悪かった。
あんだけ仕事したら営業に行きたかったお前の気持ちだって痛いほど分かるし。
でも、時間ずらすとか、準備とか俺がしてその間休んでもらうとか。
前もって知ってたら出来ることだってある。
今度からちゃんと言えよ?
俺も。マコのことちゃんと見とくから。」
そう言って私の肩に手を置いていつもはなかなか見せてもらえない優しい笑顔を向ける倉西さんは抜群にカッコよくて、乾杯も忘れて見とれてしまいそうになった。