女嫌いのイジワル上司を攻略します!
「いやいや。とんでもないです」
彼はそう否定していたけど、第三者の私からみても彼は優秀なんだろうと思った。
そのあとの倉西さんの説明も無駄がなくて、的確で。
分かりやすくてすんなり頭に入ってくる。
きっと自分の頭の中がきっちりと整理されているんだろうと思った。
倉西さんの下に付いていれば、仕事を早く覚えられそうだなと思って安心した。
その日に倉西さんが私に任してくれた仕事も単純な作業の中に、これから必要になるであろう見積書や契約書、請求書や納品書などの社外向けの書類のことがよく分かるように、それらに触れることが出来るよう配慮されているのが分かった。
なんて効率的で配慮的な仕事の振り分け方...
やっぱりあの人はすごいと感服していると、隣のデスクの男性が話しかけてきた。
「どう?倉西の指導は。
アイツ、イケメンだし仕事デキるから勉強になるだろ。」
パーマを当てているのだろうと思われるフワフワで軽そうなヘアスタイルに、世の中では塩顔と評されるであろう彼の顔立ち。
これまたカッコイイ人だなと思った。