女嫌いのイジワル上司を攻略します!
やっぱりこの人も美人だ...。
私がまさになりたかったと思っていたそのものの顔立ち。
ぱっちり二重なのに子どもっぽくなくて、すっと高く通った鼻筋に顎先にかけてきゅっとしまった輪郭。
素敵な女性だな...。と思った。
営業にすぐ行けそうなビジネスライクな私服もかなりデキる女感が漂っている。
「自己紹介遅れました。菊名です」
首から下げた名札を私の方へ向け、菊名さんは私ににっこりと微笑んだ
『菊名 千鶴(きくな ちづる)』
そう書かれた名前を見て、うわ。お似合いの名前だ。と直感的にそう思った。
「すみません。私の方こそ遅くなりました。
小夏 茉詩と申します。本日からよろしくお願いします」
私の言葉に「小夏?」と隣の佐久間くんと呼ばれた塩顔イケメンさんが首を傾げた。
「あ、はい。小夏という苗字なんです。」
「へぇー!ぴったり!
可愛らしい君にめちゃくちゃ合ってる。
俺、佐久間 侑司(さくま ゆうじ)。倉西と同期で菊名さんの1個後輩」
そう言って爽やかな笑顔を見せる佐久間さんは自分の笑顔が他人にどれほどウケがいいのかを完全に理解していると思った。