女嫌いのイジワル上司を攻略します!
「ほら。言わんこっちゃない。
小夏ちゃん、ダメよ〜?こんなチャラ男に引っかかったら!」
「なにがチャラ男なんすか〜
可愛い子に可愛いって言うのは当然っすよ」
「佐久間くんみたいに下心満載の人にはそんな理論は成立しないの〜。」
なんて言い合う2人が面白くてクスッと笑っていると、菊名さんの隣で佐久間さんの前のデスクの男性が呆れたように笑った。
「ふたりとも相変わらずっすね〜。
新人ちゃんも、そんなに笑ってたら倉西さんにまだか。って怒られるよー?
あの人、厳しいから!」
そういった彼の名札をちらっと見ると、
『室見 圭介(むろみ けいすけ)』と書かれてあった。
「確かに。倉西くん、新人も関係なく怒るもんね。」
「そうですよ。僕も去年、倉西さんに育て上げてもらった側なんで。」
「あ〜。去年は倉西、後輩指導初めてだったから余計だな〜。
室見のこと見て、ちょっと同情した覚えあるわ。」
え。そんなに怖いの...倉西さんって。
先輩方の話を聞きながら私がビクビクしていると、
「誰の悪口言ってんの?」
と私の後ろからやけに耳に響く低音ボイスが聞こえた。