異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「食べたい」がとまらない
まぶしいスポットライトを浴びて、ランウェイを闊歩する。
盛大な喝采と、方々から注ぐ羨望の眼差しを全身に受けて、湧いてくる のは優越とも愉悦ともつかないなんとも言えない高揚感。
気持ちよかった。
……あぁ、すべてはこの瞬間のために生きている。
そう、思えた。
ショーとショーの合間、私は バックステージ の一角で持参した昼食を取り出した。
全員に配られる仕出し弁当は、受け取らなかった。だけどほかのモデルたちもまた、大多数が受け取らない。
「あれ? 茉里奈さん、それだけですか!?」
仕出し弁当ふたつを手にやって来たスタッフの相田ちゃんが、私の広げた昼食を覗き込み、驚きの声をあげた。
演出スタッフとしてショーの裏方を支える相田ちゃんは、ふくふくと丸っこい顔をしたかわいい子だ 。ころころとした笑みは純朴で、モデルたちの洗練されたそれとは比べるべくもない。 だけどどこかほっこりと癒される、そんな雰囲気がある 。
「そうよ」