異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「相談ごとというのはどうでしょう」
え? アイーダから返った声の険しさに驚く。
だけど険しいのは声だけじゃなかった。見れば、アイーダはまるで親の仇でも前にしたような厳しい目で、件の騎士を睨んでいた。
「ちなみに階級は、第二師団の副師団長でございます。ただし彼は、生家と議会からの推薦によるゴリ押しで入団試験を経ず、最初から第二師団副師団長という階級付きで入団しています」
うわぁ、どおりで……。
アイーダから聞かされた入団経緯に、剣のひと振りだってできなそうな、なよなよとした風貌も、実直とは言いがたい鍛錬に対する彼の姿勢も、すべて納得がいった。
とはいえ、アイーダがここまで彼に厳しい目を向けるのはどうして?
「ねぇアイーダ? 彼がどうかしたの?」
「彼がというよりは、彼の生家のことが少々気になりまして……」
アイーダが、ここで少し言いよどむ。
「生家?」
「……いえ、出自と本人の人となりは別と考えなければいけませんね。失礼いたしました」