異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
私はライの管理監督の下、ダイエットだけに集中ができている。だけどライは、付きっきりで私の減量にあたりながら、騎士団長としての本来の職務まで負っているのだ。
いくら副団長らに業務を代行してもらっているとはいえ、騎士団長としての仕事がなくなったわけではない。だから、今みたいに火急の要件をささやかれることもしばしばで、ライはその都度、迅速で的確な対処をしていく。
ライが統率力、指導力、共にとても優れていることは間違いなかった。
……だけど、ろくすっぽ食べられない、休む間もないじゃ、体を壊してしまうよね。
休憩時間はもちろん、私の入浴中といった隙間時間まで忙しく立ち動いているライを思えば、心が痛んだ。
……私、ちゃんとしよう。少しでもライの負担を減らせるように、目の前の減量メニューを一歩一歩、しっかりこなしていくんだ!
「こんにちは、マリーナ様」
するとここで、件の騎士が、向かいから親しげに声をかけてきた。
相談を持ちかけてきた張本人の彼が、ライに付き従わずこの場に残ったことに若干の違和感を覚えた。