異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「私は第二師団副師団長のリィ・ヴァーウンドと申します。以後どうぞお見知りおきを」
リィ・ヴァーウンドと名乗った騎士は、やたらキラキラしい笑みを浮かべ、空いていた私の隣の席に座った。
今日も彼は、頭のてっぺんからつま先まで、隙なくパリッとした装いでキメていた。
それにしても、仮にも王女である私の隣にこんなふうに断りもなしに座ってくるというのは、あまり経験のないことだった。ざっくばらんに言えば、かなり馴れ馴れしい。だけど今、私は騎士の馴れ馴れしい態度より、別の一点に衝撃を受けていた。
……リバウンドって、よりにもよってその名前は反則じゃない?
減量中の私にとって、リバウンドという単語は禁句にも等しい。そんな破壊力抜群な名前に、私の眉間にもライのごとく皺が寄る。
……駄目だ。私、この人は生理的に受けつけない。
「マリーナ様、私はいつもあなたががんばるお姿を拝見しております。一生懸命なあなたはとてもキュートだ」
え?
「けれどなにより、食堂でお見かけするあなたが一番キュートだ」