異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 まぁ、ファーストネームに関してはやむにやまれぬ事情で提案しただけなのだが、そこにはあえて口をつぐんだ。
「マリーナ様、少しお待ちください」
 そう言ってリィは、くるりと踵を返すと、食堂の受け取りカウンターの方に消えた。
 ……なんだろう?
 昼休憩の開始から少し時間が経って、人もまばらになった受け取りカウンターで、リィは奥の調理人に向かって話しかけているようだった。
 そうしてリィは、調理人から直接なにかを受け取ると、再びこちらに戻ってきた。
「マリーナ様、とびきりキュートなあなたにこれを。ささやかですが、お近づきのしるしに」
 え?
 そう言ってリィが、私に向かってズイッとなにかを差し出した。
「なぁに?」
 おもむろに、見下ろす。
 わ!? わっ! わぁあああっ!!
 リィが差し出したのは、騎士食堂のオプションメニューの小鉢だった。


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