異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「マリーナ様が減量中というのは存じ上げておりますが、律しすぎでは息が詰まってしまいます。私もかつて減量を経験したことがありますが、この程度はまるっきり影響などありませんでしたよ。ですからマリーナ様も遠慮なく召し上がってください」
爽やかな笑みでリィが言う。
……そ、そういうもの? う〜ん、経験者が言うんなら、そうなのかなぁ?
ちなみに、減量中の私はこれまで、一度として小鉢を取ったことはない。減量中の私に付き合って、ライもアイーダも同様に手にしたことはなかった。
けれど、ほかの騎士たちの食事を遠目に見て、揚げ物からデザートに至るまで、日替わりで数種類が用意されているのを知っている。
そして今、目の前に差し出された小鉢には、エビのフリットが山と盛られていた。
香ばしい色にカラッと揚がった衣。チラリと覗くエビの、照り色の尾っぽも目にまぶしい。
食べなくても、そのおいしさが予想できた。
ゴックンと唾をのむ。
……揚げ物なんて、もう何日食べていないだろう。断言できる。これを食べたらきっと、私の頬っぺたは落っこちる!