異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 気づいたのは私だ。こんなのは気づいた人が、ちゃっちゃとやってしまえばいい話だ。
 私は手ばやく散ったフリットを小鉢に入れ、ゴミ箱から取り上げた。すると、取り上げた小鉢は、淵が少し欠けてしまっていた。
 ……ええっと。私はゴミ箱の中に顔を突っ込むようにして覗き込む。
「あ、あった!」
 手を突っ込み、見つけた陶器の欠片もしっかりと回収する。
「これ、食堂に渡してくる!」
 私は今しがた出てきたばかりの食堂に取って返すと、返却口にいた厨房係に事情を説明し、フリットの入った小鉢を手渡した。
 ついでに汚れた手も洗わせてもらって、私は食堂を後にした。
「姫様、ご立派ですわ」
「こんなの普通だよ。それよりさ、捨てちゃうなんてもったいないね……あ! もしかして落としちゃったのかな。だとしたら落としちゃった人、 さぞかしショックだったろうね」
 分別の手間を惜しんだのは許せない。だけど私もかつて、バゲットとハムを落っことして泣いた経験があるからよくわかる。あれは本当に悲しい……。


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