異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
午後の訓練で合流したプールで、私は早速ライにランチボックスを差し出した。
「はい、ライ」
「これはなんだ?」
ライは唐突に差し出されたランチボックスを見下ろして首をひねった。
「ライはお昼、ほとんど食べずじまいだったでしょう? だから料理長にお願いして詰めてもらったの! 小エビのカクテルサラダもね、食べやすいようにサンドイッチにしてくれてあるんだよ! これなら私を監督しながら、 つまめるでしょう?」
ライは驚いたように目を見張り、そうしてすぐにスッと目を細くすると、おおらかにうなずいた。
「そうか、気をつかわせてしまったな。ありがたくもらおう」
そう言ってライは、ランチボックスを受け取った。
その時、ほんのわずかに触れ合った指先にポッと熱が灯る。トクントクンと胸が鳴り、なんだか落ち着かない思いがした。
「うんっ! それじゃ私、準備運動から始めてるから! ライはよかったら、食べててよ!」
私は恥ずかし紛れに、早口にまくし立てると、プールサイドでひとり準備運動を開始した。