異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
私が準備運動を終えプールに入る段で、ランチを食べ終えたライが合流した。
「ところでライ、さっきのリィからの一件は大丈夫だった?」
一緒にプールに浸かりながら、ライに水を向けてみた。わざわざ昼食を中断して駆けつけたくらいだから、トラブルがあったのだろうとずっと気になっていた。
するとライは、過去最高を記録するくらい深い皺を眉間に刻み、般若の形相で私を見据えた。
ヒィッ!! 反射的にビクンと肩が跳ねてしまうのは不可抗力だ。
ライの顔面凶器から繰り出される睨みは、ずいぶんと耐性が付いてきたとはいえ、いまだに気を緩めればちびってしまいそうな恐ろしさだ。
……だけど私はもう、知っている。一緒に多くの時間を過ごす中で、自ずと気づいた 。
眉間の皺は、ライの癖。困ったりして感情が動くと、ライは眉間に皺を刻む癖があり、それはけっして怒っているわけじゃない。
要は、眉間の皺というのは、ライのトレンドマークみたいなものなのだ。
鋭い目つきも、単にライはしっかりと見つめているにすぎず、けっして睨んでいるわけじゃない。