異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「ライ? もしかして、第二師団でなにかトラブル?」
ゴクリとひとつ唾をのみ下し、私を見据えたまま岩のように固まるライに問いかけた。
この反応はもしかして、かなりの大事かもしれないと、心配から私の眉間にも皺が寄る。
「……いや、トラブルはなかった。第二師団の師団長がここのところ悩んでいるようだと聞かされて、俺も第二師団内で問題が発生しているのかと思い駆けつけたんだが、師団長の悩みはまさか嫁との離婚問題だった」
……へ? 離婚問題?
聞かされた予想外の内容に、口がポカンと半分開いたまま塞がらない。
「家庭内の問題と職務を混同をせぬよう伝えて、この一件は終わった」
「そ、そうだったんですね。副師団長にそこまで気を揉ませてしまうほど、離婚話がこじれてしまったのも、なんだか気の毒な話ではありますね」
「……まぁ、そうとも言えるか。しかし、離婚話はもう決着直前のようだ。俺が駆けつけたことに師団長自身、かなり驚いた様子だったからな。しきりに、俺の耳にまで身内のごたごたが届いてしまった状況を詫びていた」