異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
肩に置かれていたライの手が、背中に回る。その手にグッと引き寄せられて、気づいたときには、私はライの懐にすっぽりと抱きしめられていた。
逞しいライの胸にギュッと押しつけられて、ライのぬくもりと香りをいっぱいに感じる。そうして胸に浮かぶのはのは、お母さまの胸に抱かれたときには感じなかった、たしかなときめき。
その優しさに安心できて、だけど、そわそわと落ち着かない。この矛盾は、私がライを特別に思っているから……。
そっと両手を、ライの背中に回す。厚くて硬いライの背中を、やわらかな私の両手でギューと抱きしめた。
「ライ、改めてよろしくね?」
ライと隙間なく抱き合うのは、なんて幸せなんだろう……。
胸は熱をもち、心が高揚した。
「ああ! 王宮に戻ってもよかったところを、あえてここに残ることを選んだんだ。この上はなんとしても目標体重をクリアーし、満を持して王宮に戻ろう!」
「うん、ライ」
素直にうなずいて応えながら、しかし私の胸は、少しだけその温度を低くする。