異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
もたらされたライの言葉は、私の本音とは少し違っていた。
……だって、あえてじゃない。
私は選ぶべくして、ここに残ることを選んだ。ライと離れたくなくて、望んでここに残るのだ。
最初は嫌だったライとの共同生活にもすっかり慣れた今、ライが隣にいることがあたり前になっている。なにより、振り向けばライが隣にいる状況を、うれしいと感じている。
慣れ親しんだ王宮にも、今は不思議と戻りたいは思えなかった。
だって王宮にはライがいない。私はライと一緒がいい。
「さて、そろそろ夕食の時間に……うん? マリーナ、あそこにあるのはなんだ?」
「え?」
なにかに気づいた様子のライが、テーブルに歩み寄る。
私が振り返れば、ライは掴み上げたなにかを、しげしげと眺めていた。
「あ、あっ、ああっー!!」
なんとライが眺めているのは、私が無造作に置いたままにしていた、例のかわら版だった!