異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
半ば予想していたこととはいえ、ショックは隠せなかった。
「姫様、そう気落ちされませんと、今日一日だけのことでございます」
「……うん」
たった一日。されど一日。
私にとって、ライ不在のダメージは想像以上に大きかった。
そうしてアイーダと朝食を終え、重い足取りで運動場に向かうと、運動指導の代理の騎士が、すでに私を待ち構えていた。
身が入らないながらも、なんとか午後の鍛錬までを終えると、私は逸る心のまま足早に部屋に向かった。
もしかしたら部屋にはライが戻っていて、鍛錬に付き合えなくて悪かったって、いつもみたいに眉間に皺を寄せて私に謝ってみせるに違いない。
そんなわずかな希望にすがり、私は焦燥に突き動かされるように部屋の扉を開けた。
「ライっ!? ……いない」
けれど儚い希望は、すぐに打ち砕かれる。ライはまだ、戻ってはいなかった。
私は衝立の向う側、ライの寝台にバフンッと飛び込んだ。寝台には、ライの香りとぬくもりが残っている気がした。